【リアル経験談】看護師からCRAへの転職ってアリ?

キャリア

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「夜勤がつらい」
「人間関係に疲れた」
「看護師であることに限界を感じる」
そんな理由で看護師を辞めたいと思ったことはありませんか?

私も同じように悩み、病棟を離れてCROへ転職。
未経験からCRA(臨床開発モニター)として約10年間働いてきました。

今回は、私自身の経験をもとに「看護師からCRAへの転職って実際どう?」というリアルをお伝えします

看護師からCRAへの転職は「アリ」?

結論から言うと、看護師からCRAへの転職は大いにアリです!
メリットはとても多く、私自身「この経験ができてよかった」と心から思っています。

ただし、CRAには向気・不向きがあります。
臨床から離れるのは大きい決断でもあるので、後悔しないように、しっかり考えてから行動するのが大切です。

夜勤・勤務形態の変化

看護師からCRAへ転職して、一番大きく変わったのが夜勤がない生活でした。

カレンダー通りに働けて、土日にしっかり休める。
これだけでQOLが劇的に変わりました。

病棟時代は、
・シフトがなかなか出ず、予定が立てられない
・有給も自由に取れない
・夜勤明けは一日中寝て終わる

当時、20代前半とはいえ、そんな生活に疲れきっていました。

転職後は、フレックスタイム制があり、始業時刻も就業時刻も自由。
コロナ以前から在宅勤務も可能で、かなり柔軟な働き方ができた。

実際、私の周りでもこんな働き方をしている方が多くいました。
・早めに退勤してゆっくり外出
・子どもの行事に合わせて中抜け
・午後から出勤して夕方退勤

「今日は何時に出社して、何時に帰るか」を自分で決められるだけで、生活がこんなにも楽になるんだと実感しました。

自由な働き方をしてみたい方には、CRAは本当にオススメです!

収入面の変化

CRAへの転職で、収入にも大きな変化がありました。

大学病院時代は職員寮に住んでおり、金銭的にはそこまで不満はありませんでした。
しかし転職初年度は、手取りが約5万円減少。家賃や光熱費を払うと、正直少し厳しかったです。

ただ、CRAは実力・成果がきちんと評価される世界。
2年目には看護師時代と同等、5年目には年収が1.5倍にまで上がりました。

さらに、
•1分単位で残業代が支給
•ボーナスが安定して支給
•昇給・昇格が明確

など、待遇面のホワイトさも魅力です。

「頑張った分、きちんと報われる」環境で働きたい方には向いています。

人間関係の変化

CRAの職場では、医療職だけでなく、薬剤師、文系出身者、理系研究者などさまざまなバックグラウンドの人が集まります。

病棟とは全く違う雰囲気で、視野が一気に広がりました。

みんなが「会社の成果を出す」という共通の目的で働いており、陰湿な人間関係や派閥のようなものはほとんどありません。
上司からのサポートも手厚く、働きやすい環境でした。

もちろん人によって、合う・合わないはありますが、病棟のような閉鎖的な人間関係に疲れた方には、特におすすめです。

社会人としてのスキルアップ

看護師から一般企業に入ると、まず驚くのが「ビジネスマナー」。
名刺の渡し方、メールの書き方、報連相の仕方。
最初は何もわかりませんでした。

CRAでは、社外とのやり取りが多く、
自然と社会人としての基本スキルが身につきます。
•医療機関の医師やCRCとの連携
•製薬会社や業者との調整
•正確で丁寧な書類作成

上司や同僚にサポートしてもらいながら成長できたのもありがたかったです。
この経験は、退職後の今も強みとして生きています。

臨床開発モニター(CRA)とは?

CRA(Clinical Research Associate)とは、
製薬会社などの依頼者の立場で治験をモニタリングする仕事です。

治験が計画どおりに、安全かつ正確に実施されているかを確認し、データの信頼性を担保する重要な役割を担います。

看護師の経験がCRAで活きる「3つのポイント」

「未経験でも本当にできるの?」
そう不安に感じる方も多いでしょう。私もそうでした。

でも実際に働いてみると、看護師の経験が大いに活かせる場面がたくさんあります。

臨床経験に基づいた「疾患の知識」と「患者背景の理解」

まずいちばん大きいのは、疾患の知識と患者背景の理解が容易にできることです。

モニタリングをする上で、実際に患者さんのカルテを閲覧し、「有害事象が漏れなくデータとして収集されているか」を確認する仕事があります。

その際、診療記録を見て「この臨床所見は異常ではないか」と気づいたり、処方記録を見て「身体に何が起きているか」を想像できたりします。

CRAのバックグラウンドは様々で、医療資格を持っていない方もたくさんいます。
医療資格のない人は社内研修や、自学で医療知識をつけていく必要がありますが、看護師はカルテを読む力があり、疾患や患者背景まで容易に理解できます。

また、医師とのディスカッションでも、臨床経験は役立ちました。

看護師としては当たり前の「カルテが読める」だけで即戦力と言えます。

看護師ならではのマルチタスクスキル

「マルチタスクスキル」も看護師の大きい武器です。

CRAは毎日いろんな仕事を同時進行で進めています。
複数の医療機関を同時に担当し、電話対応、資料作成、訪問準備…と常に複数業務を並行して行います。

看護師は、その日の自分の業務や時間をしっかり管理して、優先順位をつけて行うのが日常茶飯事ですよね。

この看護師として自然に培った「優先順位をつけて動く力」「時間管理力」は、CRAとしても、とても評価されました

正確さと倫理観の高さ

看護師は、日々、患者さんと向き合う中で、正確性や高い倫理性が身についているはずです。

・ミスを起こしても仕方ない
・間違えてもごまかせばいい

こんなふうに思う看護師はいませんよね。

CRAの仕事も、薬の安全性や有効性に関わる大事なデータを取り扱うため、正確性や倫理性が求められます。

看護師は、その姿勢が自然と身についていますし、CRAとして活かせる大きな強みといえます。

転職して後悔するケースと回避策

ただ、もちろん転職してよかったことばかりではありません。
ここでは、私が感じたギャップや後悔ポイントも正直に紹介します。

勉強が想像以上に大変

まず、専門性の高さと勉強の大変さは、想像以上でした。

治験はGCPという法令に基づいて行うため、徹底的に勉強することから始まります。
入社後は3ヶ月ほど座学研修やロープレ、OJTなどが続き、その後も業務をしながら、研修や資料読解などが続きます。

看護師時代、あまり研修が大変というイメージがなかった分、私にとっては大きなギャップでした。
はじめのうちは修了試験に合格しないと業務に就かせてもらえないということもあり、業務をこなしながら常に専門性を高め続けることは想像以上に大変かもしれません。

ただ、常に新しい知識をつけられるという面白みはあり、看護師とは違った専門性をつけられて自信にもなる。

新しいことに挑戦したいという強い気持ちがある方にとっては、刺激的で楽しい仕事だと思います。

業務量が多く、忙しい時期もある

CRAの仕事は、想像以上に業務量が多く、特に繁忙期は体力的にも精神的にもハードです。

プロジェクトの進行状況によってスケジュールが大きく左右され、特に新しい治験の立ち上げ期は、関係部署との調整・書類の整備・治験施設との打ち合わせなどが重なり、長時間残業が続くこともあります。

ただし、忙しい時期ほどチームの結束力が強まり、同じ目標に向かって支え合える文化があるのもCRAの魅力です。

仲間と協力しながら乗り越えた後の一体感はとても嬉しかったですし、「自分がチームの一員としてプロジェクトを動かしている」という実感を得られる瞬間でもありました。

忙しさはありますが、その分だけやりがいも大きい仕事です。

臨床現場への未練が残る

CRAは、患者さんと直接関わることはありません。

治験データを通して患者さんの状態を知ることはできますが、目の前で回復を見届けたり、感謝の言葉をもらったりする機会は少ないのが現実です。
そのため「やっぱり患者さんと関わりたい」と感じ、臨床に戻る方も少なくありません。

一方で、CRAとしても経験は医療業界全体を俯瞰できる貴重な経験にもなります。
看護師資格があることで、臨床へ戻る選択肢を残しながら、新しい分野でキャリアを広げられます。

「看護師としての自分を活かしたいのか」
「ビジネスパーソンとして新しい分野に挑戦したいのか」
自分がどんな働き方に価値を感じるかを、事前に整理しておくことが大切です。

看護師がCRAになるには?転職を成功させるための対策

では、実際にCRAを目指すにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、転職を成功させるための3ステップを紹介します

情報収集する

まず、CRAとはどういう仕事なのかをよく調べましょう

そのうえで、特に以下についてよく考えましょう。
・本当にCRAを目指すのか
・CRCではなくCRAを目指す理由は何なのか
・CRAとして何がしたいのか
・どんな働き方をしたいのか

転職の目的が曖昧なままだと、転職活動が長引いてしまう原因にもなります。

企業を研究して応募する

ひと口にCRO(開発業務受託機関)といっても、企業によって業務内容や働き方、求められるスキルは大きく異なります。

・教育体制やサポートが整っているのか
・未経験者でも安心してスタートできそうか
・即戦力として配属され、主体的に学ぶ姿勢が求められるのか
・分業制が進んでおり、業務範囲が限定されているのか
・プロジェクト全体を幅広く担当できるのか
・成果主義・英語力重視の傾向があるのか

同じCRAでも、企業によって得られる経験や働き方は大きく変わります。

給与や福利厚生だけでなく、社風・サポート体制・業務範囲などをしっかり比較し、「自分がどんな環境なら長く続けられるか」を軸に選ぶことが転職成功のカギです。

プロに相談するのもおすすめ

転職のプロに相談するのもおすすめです。

私は、CRO業界への転職に強いエージェントを2社利用し、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、徹底的にサポートしてもらいました。

特に未経験の場合、エージェントの存在はとても心強かったです。
実際、私の同期で看護師からCRAになったのが3人いましたが、全員同じエージェント経由でした。

看護師を辞めたいあなたへ|CRAという新しい選択肢

この記事では、以下についてお伝えしました。

  • 看護師からCRAへの転職は「アリ」
  • 夜勤なし・自由な働き方・ホワイトな待遇が魅力
  • 勉強や責任も多いが、成長できる環境
  • 看護師経験は確実に活かせる

もし今、「看護師を辞めたいけど次の一歩がわからない」と悩んでいるなら、CRAという選択肢を知ることから始めてみてください。

求人を探す前に、まずは「自分がどんな働き方をしたいのか」を整理しましょう。

迷っている人ほど、情報収集からでOKです。
ぜひCRAという選択肢を検討してみてください。

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