40代メタボの食べ過ぎが止まらない理由と、今日からできる3つの対策

保健師

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毎年、健康診断で「メタボ」や「肥満」を指摘され、数値に引っかかるのに、なかなか痩せられない。

頭では、今の食生活や生活習慣を変えた方がいいのは十分に分かっている。
だけど、
・何をどうしたらいいか具体的に分からない
・仕事が忙しすぎて、ダイエットする時間なんてない
・会食や付き合いが多く、食事制限なんて無理

あなたもこんな風に感じていませんか?

普段、特定保健指導の場で多くの方と接する中で、そういったお悩みを本当によく耳にします。
特に働き盛りの40代から60代の男性にとっては、「痩せたい」という思いがあっても、なかなか行動に移せないのが現実です。

しかし、実は、あなたが食べ過ぎてしまうのは、決してあなたの「意志の弱さ」ではありません
多くの場合、それは「食欲を乱すホルモンの影響」や「無意識の習慣」の問題です。

あれもこれも生活すべてを変える必要はありません。

この記事では、特定保健指導の現場で数多くのメタボ改善を見てきた保健師の視点から、「食べ過ぎが止まらない本当の理由」を解説し、今日から軽く始められる、たった3つの対策をご紹介します。

これを実践すれば、無理せずに、健康診断の数値を改善できるはずです。

ぜひ最後まで読んで、あなたのダイエットの第一歩を踏み出してください。

40〜60代男性が食べ過ぎてしまう理由

「昔は痩せていたのに、気づいたらお腹がぽっこりしてきた。」
「ある程度は運動しているつもりなのに、なぜか痩せない。」

このような悩みを抱えている40〜60代の男性は非常に多いです。

体重が増え、健康診断でメタボと診断される原因はいくつかありますが、最も大きく、多くの方に共通しているのは、やはり「食べすぎてしまっている」という点に尽きます。

特に、40代から60代の方は、仕事で責任ある立場にあり、ストレスが多いだけでなく、自分の意思に反して食べざるを得ない機会が多くなってしまいがちです。

私が普段、特定保健指導で多くの方とお話ししていて気づく、この世代特有の食環境は以下のようなものです。

・週に何度も「会食」や「接待」があり、カロリーオーバーしやすい
・仕事が忙しくて、ランチをおにぎりだけ、カップ麺など、簡単なもので済ませてしまう
・夜は疲労やストレスを発散させたくて、お酒に頼ってしまう

このような環境は、仕事の責任や人間関係が絡んでいるため、「痩せたいから」という理由だけでは、なかなかすぐに変えられるものではありません。

しかし、健康診断では、医者や保健師から「このままでは危険だから、痩せろ」と迫られる。

「どうしたらいいって言うんだ….」

そう、苛立ちや諦めの気持ちを感じてしまうのも無理はありません。


ですが、ご安心ください!
まずは、意志の力で我慢しようとするのをやめることから始めましょう。

なぜなら、食べ過ぎてしまうのは、あなたの意志の弱さではなく、体の仕組みの問題だからです。

あなたが食べ過ぎてしまう本当の理由は空腹じゃない

よく「食事は腹八分目に」といったアドバイスを受けることがあると思いますが、多くの方が「それができれば苦労しないよ」と感じているはずです。

実は、食べ過ぎてしまう理由は、単なるエネルギー不足による「空腹」ではないことがほとんどです。

多くの場合、食欲を乱してしまうのは、「ストレスホルモン」と「血糖値の乱高下」の2つです。

ストレス過多→食べることで発散したくなる

仕事や人間関係で強いストレスを感じると、私たちの体は「危機的な状況」と判断し、副腎皮質という臓器からコルチゾールというホルモンを大量に分泌します。

コルチゾールは、血糖値を上げて体を活動させたり、免疫機能を調整したりする役割を果たしますが、この分泌が慢性的なストレスで続くと、食欲にも大きな影響が出てくる場合があります。

具体的には、コルチゾールが脳の食欲中枢に作用し、特に甘いもの、脂っこいもの、そして塩辛いものを欲する傾向が強まると言われています。

これは、体が高カロリーなものを摂取してエネルギーを蓄えようとする、防御反応の一つです。

さらに、コルチゾールは脳にも影響し、高カロリーな食べ物を食べることで一時的に「快感」を得るドーパミンなどの神経伝達物質を分泌させます。

これによって、「ストレスを発散させるために食べる」という行為が、意思とは関係なく、無意識のうちに「心の安定を図るための習慣」として定着しやすくなってしまうんです。

時間がない→とりあえず炭水化物で済ませてしまう

また、仕事や家庭が忙しい40代以降の方には、食事をゆっくりとれないという方も非常に多いでしょう。

食事に時間をかけられない時には、手っ取り早く済ませようと、以下のような炭水化物中心の食事を選びがちです。

・おにぎりやサンドイッチだけ
・菓子パンだけ
・ラーメン、うどん、立ち食いそばなどの単品メニュー
・丼もの(牛丼、カツ丼など)

しかし、これらの食事をとった後、「意外とすぐにお腹が空いてしまう」「食後に眠気が強く出てしまう」と感じた経験のある方もいるはずです。

実は、ご飯やパン、麺類などの炭水化物(糖質)は、確かにすぐにエネルギーになりますが、それだけでは「満腹感」を長く維持することが難しいのです。

真の満腹感を長持ちさせるには、「タンパク質」と「食物繊維」の摂取が不可欠です。

これらが少なく、炭水化物に偏ってしまうと、脳は「栄養不足だ」と誤解し、「もっと食べろ」という信号を出し続けてしまいます。

食べ過ぎをやめたいと思ってもやめられないのは、意思の問題ではなく「栄養バランスの悪い、炭水化物に偏った食事」のせいかもしれません。

炭水化物中心の食生活による「血糖値スパイク」のせい

私たちの体は、血糖値が急激に下がった時、脳が「低血糖だ、エネルギーが危険なほど足りない」と判断し、強い「空腹感」や「食欲」を感じます。

糖質を多く含む食事を大量にとったり、食事を急いでかき込んだりすることで、血糖値は急激に上昇します。
すると、膵臓から血糖値を下げようとインスリンというホルモンが多量に分泌され、結果として血糖値が急降下します。

この急激な血糖値の乱高下を「血糖値スパイク」と言います。

一度スパイクが起きると、異常な空腹感や、「まだ何か食べたい」という衝動が消えなくなり、必要以上に間食したり、次の食事でまた大量に炭水化物を食べてしまったりする、「負の連鎖」が生まれてしまいます。

この血糖値スパイクこそが、あなたの「食べ過ぎが止まらない」という状況の最大の原因なのです。

【今日からできる】40代メタボが“食べ過ぎをやめられる”3つの行動

食べ過ぎの真の原因が「ストレスホルモン」や「血糖値スパイク」にある以上、糖質に依存した食生活を続ける限り、いくら意志を強く持っても、なかなか食べ過ぎはやめられません。

まずは、「血糖値スパイクを防ぐこと」と「食欲を乱す習慣を断ち切ること」から始めましょう。

意志の力はいりません。行動パターンを少し変えるだけでいいんです。

糖質の量を「少しだけ」減らす

「主食や間食を減らすのは絶対に無理」「ご飯は茶碗に山盛りじゃないと気が済まない」という方も多いはずです。

それは、おそらく「主食を完全に抜く」「間食を完全に我慢する」といった厳しい制限を想像しているからかもしれません。

ですが、するべきことは、「ただ少し量を減らすだけ」です。

極端な糖質制限は、かえってストレスになり長続きしません。
ダイエットにおいては、むしろ主食はちゃんととるべきなので、必要なのは、「いつもの食事から少しだけ量を減らすこと」です。

▼具体的な目安

食事理想的な量減らすための工夫
ご飯茶碗1杯
食パン1枚
普段通りでOK
ご飯茶碗1杯
麺は1人前まで
麺類や丼ものの頻度を抑える
定食スタイルを選び、ご飯は茶碗1杯まで
ご飯茶碗半分
麺は0.5人前
無し
主食よりもおかずを多く
麺類や丼ものの頻度を抑える
定食スタイルにし、ご飯は茶碗半分

特に、夕食だけを茶碗半分(大盛り・おかわりは禁止)に減らす程度で十分です。

また、麺類や丼ものは、糖質が非常に多くなりがちです。
できるだけ頻度を抑え、「ご飯・汁物・おかずが揃った定食スタイルの食事」を選び、ご飯は茶碗1杯までにするのが理想です。

「それだけではお腹が空いてしまう」という方でもご安心ください。

減らした糖質の分は、タンパク質でお腹を満たしましょう
タンパク質は血糖値の上昇が緩やかで、腹持ちも良いため、多少多めに摂っても大丈夫です。

食事は、野菜→タンパク質→炭水化物の順に統一

血糖値スパイクを抑え、食べ過ぎの衝動を防ぐためには、食事による血糖値の急上昇を避ける必要があります。

そのためには、「空腹でいきなり炭水化物をとらない」ことが一番重要です。

いつもの食事の順番を変えるだけでOKです!

・野菜(副菜): サラダ、おひたし、味噌汁の具など、最初に食物繊維を摂る。
・タンパク質(主菜): 肉、魚、卵、豆腐など。ゆっくり噛んで満腹感を高める。
・炭水化物: ご飯、パン、麺など、最後に摂る。

この「ベジタブルファースト(野菜から食べる)」の順番に変えるだけで、食物繊維が糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇(スパイク)を抑えられます。

これなら、会食でも、ご家族が作った食事でも、残さず取り組めます!

この方法は、用意された食事の「中身」を変えるのではなく、「食べる順番」を変えるだけなので、「ご家族が作ってくれた食事を残せない」「会食のメニューは変えられない」という方でも、誰にも気づかれずに取り組めます。

ぜひ今日からお試しください。

水分摂取を意識する

体重減少とメタボ改善には、水分摂取もとても重要な要素です。
モデルさんがたくさん水を飲んでいるのは、美容のためだけでなく、代謝をスムーズにするためでもあります。

体に取り込んだ糖質や脂質がエネルギーに変わる(燃焼する)際、私たちの体は大量の水を使います。
体の中に十分な水があればあるほど、代謝が活発になり、結果として「痩せやすい状況」を作れるんです。

また、水を飲むことで物理的に胃が満たされ、食欲を紛らわせる効果も期待できます。

▼水分摂取の際の注意点

・飲むものは「水」または「お茶」を選ぶ:カフェインやアルコール、糖分、人工甘味料の含まれないものを意識しましょう。特に、スポーツドリンクや清涼飲料水は「隠れ糖質」です。

・「一気飲み」はNG、こまめに飲む:一度に大量に飲むと、尿として排出されやすくなります。
コップ一杯程度の水を、1時間〜2時間に1回など、こまめに少しずつ飲むように心がけましょう。

「一番手軽なダイエット食品は水」とも言われています。


ペットボトルやマイボトルを用意し、常に手の届くところに置いておくだけでも、意識的に水分を摂りやすくなります。
ぜひ気軽に試してみてください。

【特定保健指導の視点】実際に効果が出た人の特徴

私が特定保健指導で長期間サポートする中で、実際に体重や腹囲が大きく減少した方々には、共通した「考え方」や「行動パターン」があるように思います。

無理な制限ではなく“行動パターン”を変える

「お酒を一切やめる」「ご飯を完全に抜く」といった、「我慢」や「禁止」という無理な制限を続ける人は、高い確率でリバウンドします。

成功する人は、「食べる回数」「食べる量」「食べる順番」「食べるものの種類」といった行動パターンを少し変えることから始めています。

例:「ご飯を半分にする(量)」「食事の前に水を飲む(習慣)」「ランチは定食を選ぶ(場所・メニュー)」

このように、「意思」ではなく「仕組み」で食欲をコントロールしようとする人が成功しています。

一気に結果を出そうとするのではなく、少しずつ積み上げる

メタボの改善は、短距離走ではなく、マラソンです。

「次の健康診断までに−10kg!」と焦って極端なダイエットをしても、長続きしません。

まずは体重の目標を達成するのではなく、「今日の夕食だけご飯を半分にしてみる」「甘い飲み物ではなくお茶にしてみる」というように、小さな行動の目標を確実に達成していくことが成功のカギのように思います。

「昨日の自分より、今日少しだけ良い行動ができた」という成功体験を少しずつ積み重ねていけば、確実に体は変わっていきます。

まずやってみる

「水をたくさん飲むのが苦手」「ベジタブルファーストなんて面倒くさい」と、やる前からあれこれ理由をつけて行動しない人が最も改善が遅れてしまいます。

結果が出る人は、たとえ完璧でなくても、「とりあえず3日間だけやってみよう」「今日のお昼だけでも定食にしてみよう」と、深く考えずにまず「やってみる」という方がとても多いです。

やってみて「自分には合わない」「これは続けられない」と感じたら、その時また別の方法を試せばいいだけです。
行動しないことには、何も始まりません!

こっそり対策できるおすすめのアイテム

「ダイエットしていることを誰にも知られずに、こっそり対策をしたい」という方のために、手軽に取り入れやすいアイテムをご紹介します。

腹持ちが良いプロテインで満腹感をコントロール

朝食をパンだけで済ませたり、昼食を急いで済ませたりすると、すぐに空腹感に襲われ、次の食事で食べ過ぎたり、間食に走ったりしがちです。

特に、仕事の合間や夕方の時間帯に強い空腹感を感じる方には、高タンパク質で腹持ちが良いプロテインの活用がおすすめです。

▼プロテインの活用シーン

おすすめポイント活用シーン
満腹感の持続タンパク質は、炭水化物に比べて消化吸収が穏やかなため、胃にとどまる時間が長く、満腹感を長持ちさせます。
手軽な栄養補給水や牛乳に溶かすだけで、食事で不足しがちなタンパク質を手軽に補給できます。
ソイプロテインがおすすめプロテインの中でも大豆由来の「ソイプロテイン」は、消化吸収がさらにゆっくりで、腹持ちの良さに優れています。
食前の空腹対策どうしても空腹が我慢できない時、食事の30分ほど前にプロテインを飲んでおくと、食べ過ぎを予防できます。

プロテインシェイカーを職場に持っていくのが難しい場合は、個包装になっている粉末タイプを活用しましょう。
また、冷たい水ではなく、温かい豆乳や牛乳で割ることで、より満足感が高まります。

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感想(340件)

味が豊富なプロテインバーで「罪悪感のない間食」へ

夕方や小腹が空いた時に、ついつい菓子パンやチョコレートに手が伸びてしまう…という経験はありませんか?
これらは血糖値を急上昇させ、次の食べ過ぎを誘発してしまいます。

そこで活用したいのが「プロテインバー」です。

▼プロテインバーの活用シーン

おすすめポイント活用シーン
高タンパクで腹持ち抜群タンパク質は満腹感を長持ちさせるため、次の食事までの空腹感を軽減します。
豊富なフレーバーチョコレート味やキャラメル味など、お菓子感覚で食べられるものが増えています。甘いものが欲しい衝動を満たせます。
カバンに常備できる個包装で持ち運びしやすいため、仕事の合間や移動中など、誰にも見られずにサッと食べられます。

ただし、プロテインバーのように見える、ただのチョコレートバーもあります。
購入する際は、「糖質10g以下」や「高タンパク質」などの表示があるものを選ぶようにしましょう。

飽きずに、毎日違う味を選びたいという方にはこちらがおすすめです。

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感想(88件)

意志ではなく“仕組み”でメタボは改善できる

この記事でお伝えしたかったのは、「食べ過ぎはあなたの意志のせいではない!」ということです。

働き盛りの40代以降は、仕事のストレスや忙しさがあり、「意志の力で食欲を止める」ことには無理があります。
大切なのは、「食欲を乱すメカニズムを理解し、それを逆手にとった仕組み作り」をすることです。

今日から始めるべきことは、たったこれだけです!
・主食の量を少しだけ減らす
・水をこまめに飲む
・食べる順番を変える

あなたでも今日から実行できます。
難しい制限は必要ありません。

この小さな一歩が、数ヶ月後の健康診断で、あなたが目にする「数値」と「体重」を大きく変えるはずです。

誰にも気づかれずに、こっそりとダイエットに成功しましょう!

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